STORY

接着剤市場の最前線に
返り咲く「スーパーX」
誕生までの道のり。

接着剤メーカーの威信をかけた挑戦

1970年代半ばより、約5年ごとに業界の概念を覆すヒット商品を世に生み出してきたセメダイン。1990年代には建築・工業向けシーリング材メーカーとして確たる地位を固めつつありましたが、その一方で従業員たちには「創業の原点ともいうべき接着剤市場のトップに返り咲きたい」という願いが常にありました。

当時、市場を席巻していたライバル企業の高強度接着剤は、せん断強度は高いものの剥離力や衝撃を受けると剥がれることがあり、また、異種材料の接着耐久性に弱点があったのです。「接着剤のパイオニアとして、これらの弱点を克服した新たな接着剤を開発しよう!」という挑戦が始まり、そして、1987年にこれらの問題点を解決した弾性接着剤が建築市場向けに発売されました。

しかし、この接着剤は空気中の湿気と反応して固まるため、木材やコンクリートなどの多孔質材料を使う土木建築市場に限られ、湿気を通さない金属やプラスチックを使う工業・家庭用市場向けには新たな開発が必要でした。

思いがけず発現したアイデアの種

ヒット商品のアイデアは、思いがけないところから生まれるものです。同時期にタイル用のシーリング材を開発していたところ、失敗作と思われていた試作品を一定時間放置すると、強い粘着性が発現することが明らかになったのです。

しかもその粘着性は「粘接着という理想的な硬化機能」を有しており、両面に塗付することで、金属やプラスチックなどこれまであきらめていた湿気を通さない材料にも使用できることが判明し、用途も飛躍的に拡大しました。創業時よりセメダインの礎を築いてきた「セメダインA・B・C」を超える、理想の接着剤「セメダインZ」を目指してほしいという想いから、その名を「Cを超えるX」すなわち「スーパーX」 と命名。1992年に満を持して発売した「工業用スーパーX8008」は期待通りの大ヒット商品となり、社内は大いに沸き上がりました。

発売当時のカタログ

当時の広告画像

綿密な配慮と細工で大ヒットを記録

「工業用スーパーX8008」がセメダインに勢いを与える中、次の目標はやはり「家庭用スーパーX」を世に広めること。当時の売り文句であった「水・熱・ショックに強く」「何でもよくつくセメダイン」はまさに「セメダインC」の復活を意味していました。

しかし、そこには解決すべき大きな壁が立ちはだかっていたのです。それは、機能性の高い小容量チューブの開発。容器の口部分における接着剤の固まりを防ぐことや、細かいところにも使いやすい形状であることなど、家庭内での利便性を追求するために試行錯誤する日々が続きました。

そして、湿気を抑える効果を持つキャップインキャップ、薄塗り用と厚塗り用に分けた新型ヘラ、独自開発された二重台紙(特許化)の採用などを経て、ついに綿密な配慮と細工が施された「家庭用スーパーX」が完成したのです。発売から20年以上が経った今もなお世界100カ国以上で愛用され、スマートフォンなどの製造現場でも活躍している「スーパーX」は、セメダインが接着剤市場の最前線に返り咲いた立役者として今後もますます進化を続けていきます。

「スーパーX」