STORY

時代や国境を越えて愛される
セメダインヒット商品の
ネーミング秘話。

外国製品への勝利を誓った「セメダイン」

セメダインの商品ネーミング。その一つひとつにはどのような想いが込められているのでしょうか。まずは、原点ともいえる、創業とともに販売が開始された接着剤「セメダイン」。

「セメダイン」

実は、これにはいくつかの説があります。一つが、結合材としての「セメント」と力の単位を表す「ダイン」を組み合わせた造語で、「強い結合」や「接着」を意味しているというもの。もう一つが、創業当時に市場を席巻していたイギリス製接着剤「メンダイン」を国内市場から「攻め(セメ)出す」という意味が込められているという説もあります。

今ではその本当の答えを知る人はいませんが、例えどちらであったとしても、創業者である今村善次郎の熱い情熱とセンスを感じずにはいられません。

セメダイン

「POSシール」の本当の意味

1982年に発売され、その後建築業界に広く浸透したシーリング材が「POSシール」です。

「POSシール」

「POS」とは、塗装可能な1成分形変成シリコーンを意味する「Paintable One part modified Silicone」の略というのが正式な解釈ですが、なんと命名のキッカケはそうではなかったようです。

当初「S510」という品番で発売、品質が安定せず全社的に売れ行きが良くなかったなか、唯一孤軍奮闘していた仙台営業所が「 塗料がのるシリコーン」と言う分かりやすいキャッチフレーズを用いて拡販していたことから、それを聞いた企画者により日本語英語的な「Paint On Silicone」の頭文字から「POSシール」という名が提案され、採用に至ったと言います。

業界標準化を視野に入れた「弾性接着剤」

1987年に「強い接着から、剥がれない接着へ」というコンセプトのもと、弾性接着剤第一号の販売が開始されました。

弾性接着剤「PM100」

「弾性接着剤」という言葉はセメダインがつくった造語。名前をつける際にセメダイン独自のペットネームをつけるのか白熱の議論が展開されましたが、単独で普及させるより業界全体で進めた方が良いのではないかという意見にまとまり、あえてどのメーカーでも使用できる「弾性接着剤」を前面に打ち出すことになりました。 そして1995年の阪神・淡路大震災をきっかけにその存在が世間に認められ、その後、業界標準となるJIS規格の制定につながったのです。

弾性接着剤コンセプト

さらなる進化に希望を込めた「スーパーX」

「スーパーX」

「セメダインC」をも超える接着剤を目指して1992年に発売された「スーパーX」ですが、発売間際まで「究極」を意味する「セメダインZ」という名が最有力候補になっていました。しかし、「究極を意味してしまうと、次に新製品を出す時に名前がなくなって困るのではないか」という声が上がり、当初、今後限りなくZに近づくという希望を込めて「セメダインX」 という名が提案されました。さらには、Aから3番目で大成功を収めた「C」を、究極のZから3つ手前の「X」で超える(スーパー)、という洒落た願いがあったという話も。

このようにセメダインのあらゆる製品には、開発に携わった人々の様々な想いが詰まっているのです。

スーパーX企画書