STORY

機能性と利便性で他を
圧倒したシリコーン系
建築用シーリング材。

半永久的な防水性を実現したシーリング材

1970年代に入り、急速な経済成長を遂げて全国各地に様々な建築物が生み出されていた日本。建築物の気密性や防水性向上を目的として隙間を充填するシーリング材の機能性向上は、建築業界において急務でした。実は、その当時一般的に使用されていた住宅用一液形シーリング材には、鋼板の屋根をシーリング施工した場合、2〜5年で防水性がなくなってしまうという致命的な欠点があったのです。

そこで、この欠点を補うべく開発されたのがシリコーン系建築用シーリング材「8060」 です。先行して発売された「バスコーク」という家庭用シリコーン系充填材をさらに改良・応用する形で開発された「8060」は、シリコーン素材ゆえに半永久的な防水性を可能としており、成長著しい建築業界に大きな驚きを与えました。

「バスコーク」

シリコーン系建築用シーリング材「8060」

建築現場のだれもが扱いやすいカートリッジ容器に

シリコーン系建築用シーリング材「8060」が建築業界に受け入れられた背景には、そのスペックだけではなく使いやすさという点においても他のシーリング材を圧倒する魅力がありました。

より多くの施工業者が扱えるよう、その当時は珍しかったカートリッジ容器を採用し、建築現場で二つの液を混合させる手間を省く形で製品化したのです。そのような現場目線での細かい工夫により、大工、内装、配管などの専門外の職人さんでもシーリング工事を手掛けることが可能に。

簡便により多くの人の手に渡ったことで建築現場に欠かせない存在となっていったのです。そして、この普及の裏には当社の営業員たちの地道な活動と、当時の協力企業の普及に対する情熱や多大な支援がありました。

リピート必須の機能性が世に知れ渡る

これまでにない機能性と利便性で、年月をかけながらも建築業界に広く受け入れられていったシリコーン系建築用シーリング材「8060」。

しかし、発売当初はその価格設定により苦労することも多かったと、後に代表取締役社長となる黒川靖生は当時の様子をこう振り返ります。「セメダインの自信作としてカートリッジ1本2,000円で販売を開始しましたが、当時は職人の日給が5,000円ほどの時代であまりに製品コストが高かったのです。その魅力が世に知れ渡ることは難しく、在庫の山が膨れ上がった1973年、第1次オイルショックが日本経済を震撼させます。モノ不足により各社のシーリング材の在庫が枯渇していく中で『高くてもええから、あれ、持ってきてくれへんか』という現場の声が殺到。倉庫に山のようにあった「8060」の在庫はあっという間に姿を消し、それ以降数多くの建築現場でリピートしていただけるようになったのです」。

一回の施工にかかるコストは高いけれど、一度「8060」を使ってシーリングをすれば当面次の作業は不要となり、結果的にコストは低く抑えられる。建築業界の認識はここで大きく変わったと言います。「8060」は、セメダインの建築業界における信頼性を高める重要な存在となったのです。